営業の現場から見た原則法移行時に計算委託先を検討する手順とポイント

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営業の現場から見た原則法移行時に計算委託先を検討する手順とポイント

公開日:2020年12月9日

 

はじめに

株式会社IICパートナーズの大森です。

決算期が近くなってくると「これまで簡便法で退職給付債務を計算していたが、原則法で退職給付債務を計算するよう監査法人の会計士から言われた。退職給付債務の計算委託先を急遽、探している」といったお問い合わせが増えてきます。

弊社が提供している情報に限らず、世に出ている情報というのは既に退職給付会計や企業年金制度に担当者として携わっている方向けの実務的な情報が多く、これから退職給付債務計算の委託先を探し、退職給付会計に触れる方向けに「どういった視点で退職給付債務の計算委託先を検討したらよいか?」といった情報は世に出ておりません。

そこで、ここ数年のお客様の対応をもとに退職給付債務計算の委託先を検討する際の手順やポイントをご説明したいと思います。また、本コラムの最後では、新たにお問い合わせ頂いたお客様の対応をさせて頂く私以外のメンバーのコメントを掲載しています。ぜひ、最後までご覧ください。

納期に関する情報を収集する時のポイント

<ポイント>
急に計算結果が必要な場合も出てくるという視点で候補先の対応力(スピード)を確認されることをお勧めします。

 

弊社に限らず、他社様もウェブサイトに標準的な納期を掲載しています。早いと初回の計算は1ヶ月位、遅いと3か月、場合によっては半年位かかるといった会社もあります。

まれに10日以内というケースもあります。弊社もちょっと前までは「10営業日以内でご報告」と説明していました。ただ、必要なデータを提出頂いた後のお客様側の作業(データの修正や確認など)に要する時間を含めると10日過ぎることもありますので、弊社は標準1ヶ月以内と説明しています。あまりに短納期でできるという提案をされた時は「データを提出した後に修正が必要になった場合でもスケジュールに変更はないか?」といった質問を投げかけたりすることをお勧めします。

品質に関する情報を収集する時のポイント

<ポイント>
この候補先に業務委託したら、自社の課題が解決できるだろうか?という視点で候補先からの提案を聞いてみることをお勧めします。

 

退職給付債務計算サービスは計算結果と専門家の保証(署名)が付く標準的なサービスに加え、各社、会計処理のサポートや監査時の対応(助言)等のサービスも用意しています。そのため、一見、比較検討しやすくコストを中心に判断してしまいがちなサービスです。

退職給付債務計算サービスは初めてどこかに頼むお客様にとってはこの“品質”が一番、わかりづらいかと思います。

身近なものに例えてサービスの違いをご説明しますと「目的地に着くという目的を達成するまでに、どの交通手段を採用するか」が良いかもしれません。長距離移動をコストを最優先し、夜行バスで移動すると半日以上かかりますしお尻が痛くなります。睡眠リズムも狂います。一方、新幹線に乗ってしまえば数時間で着きますし、慣れてしまっているので気付きにくいですが、交通事故に遭うリスクが削減されています。

退職給付債務計算に話を戻すと、計算結果自体はどこの会社でも提供されます。ポイントは自社の状況を考慮するとどの交通手段(委託先)がよいか?という視点です。

ここ数年のお客様へのご提案を振り返ると、退職給付会計の実務に詳しい社員が経理部にいない、決裁者である自分も計算や会計処理を承認できる自信がない、人事部で退職給付債務を計算しないといけない、経営層に退職給付債務の変動や影響を説明できないなどお客様の置かれている状況は1社1社すべて違いました。

自社の課題が解決できるか?業務委託先の事情で余計な負担、手間を業務委託元として抱えていないか?という視点で候補先から提案を聞いてみることをお勧めします。

 

コストに関する情報を収集する時のポイント

<ポイント>
自分の金銭感覚よりも、自社の退職給付引当金の管理コストという視点で考えることをお勧めします。

 

退職給付債務計算の委託費用というのは業界の水準感がだいたい決まっていますが、各社の料金体系には違いがあり、人数や制度数、初年度と次年度以降などで差が付けられています。

ここ数年のお客様へのご提案を振り返ると、このコスト面の検討は面白い傾向にあります。

データがなく体感的な話なのですが、原則法移行の初回計算といった退職給付債務に影響を与える課題に関する業務委託となると役員や場合によっては社長がご提案の機会に参加されることもあります。こういった時には大変ありがたいことに他社より御見積りが高いような場合でも弊社を採用いただくケースが増えてきました。一方で同じお客様でもご担当者はコストを気にされる傾向にありますが、お打ち合わせを重ねますとご担当者も候補先として弊社への本命度が変わってきます。

この違いは何かと言いますと、役員や社長といった経営層ですと「我が社の経営上の課題を解決する先」という視点で業務委託先を決定しますが、ご担当者ですとご自身の金銭感覚に左右されることが多いからです。

10万円、20万円の差が大きいか小さいかはその方の置かれている状況や立場で異なります。原則法で退職給付債務を計算する規模のお客様ですと日系企業では退職給付引当金の額はそれなりに大きく、退職給付債務の計算コストと比べれば雲泥の差です。場合によっては数十、数百億円規模になる退職給付債務の管理コストを数万円、十数万円切り下げることでの機会損失は退職給付債務の計算誤りに伴う決算修正が代表的ですが比べものにならないほど大きいです。

そのため弊社に限りませんが、退職給付債務計算の委託先を選定する場合は毎年、委託先を変更する性質のサービスではありませんので様々な役職(立場)の方でご判断頂くことをお勧めします。

以上、候補先から収集すべき情報をご紹介しました。

※当コラムには、執筆した弊社コンサルタントの個人的見解も含まれております。あらかじめご了承ください。

大森イメージ この記事を書いた人
大森 祥弘
東京本社:新規営業・アライアンス担当

全国共済農業協同組合連合会(JA共済連)全国本部にて適格退職年金制度の移行、企業年金コンサルティング及び年金管理事務やシステム改定に従事した後、トヨタグループの管理部門を経て、IICパートナーズに入社。
JAグループへの公認会計士監査対応支援、国内金融機関への退職給付会計業務支援、運営管理機関へのDC運営管理業務支援などのアドバイザリー業務に従事。

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