金融機関ではないIICPのサポートで、年金運用の適切な判断や見直しが可能に。|日鉄環境様

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金融機関ではないIICPのサポートで、年金運用の適切な判断や見直しが可能に。|日鉄環境様

「社内で専任の人材を確保することは難しい中、
IICPのような第三者の存在を活用することは非常に有効だと思います。

【日鉄環境株式会社】(左側3名、中央より)
企画管理本部 財務部 経理室 /室長 藤井 雄太 氏
同 経理室 / 押田 あずみ 氏
 経理室 / 森川 春佳 氏
【株式会社IICパートナーズ】髙木 明仁・古宇田 義規

「水」を通してものづくりを支えるトータルソリューション企業の日鉄環境株式会社(以下、日鉄環境)は、確定給付年金制度の年金資産運用のサポートとして、2008年度よりIICパートナーズ(以下、IICP)の「年金運用コンサルティングサービス」をご利用いただいております。

今回は、企画管理本部 財務部 経理室長の藤井氏と同じく経理室の押田氏、森川氏に、年金運用業務やコンサルティングサービスの効果について伺いました。

日鉄環境ロゴ

企業情報 日鉄環境株式会社
https://www.eco-tech.nipponsteel.com/
所在地 東京都港区海岸一丁目9番1号 浜離宮インターシティ7階
設立 1970年9月4日
従業員数 1,460名
事業内容 水処理プラント・水処理薬品・水道操業管理&設備保全・建設・浚渫/洗浄・分析・研究開発

「水処理一環体制(ECOM+A)」を駆使して、製鉄所のモノづくりを支援

御社について教えてください。

当社は日本製鉄グループ唯一の水処理中核企業として、排水水質が社会問題化し始めた約半世紀前から鉄づくりにおける水処理を一貫して担ってきました。鉄を1トン作るのに約200トンもの莫大な水が必要ですが、現在では90%以上の水が循環再使用されています。更に今日では都市下水や各種製造工場排水など、多種多様な水処理排水を手掛けています。

調査・企画・設計(Engineering)から製作・建設(Construction)、操業管理(Operation)、分析(Analysis)までをワンストップで行う『水処理一貫体制』を構築することで、国内の各製鉄所を水処理を通じて支えているほか、一部では公的機関の下水処理施設、化学や食品メーカーにも技術提供しています。私たちは、この一貫体制が当社の特長であると考え、英語の頭文字をとって『ECOM+A』と呼んでいます。

普段の業務について教えてください。

藤井氏:主な業務は会計、資金、税務、年度計画策定です。退職給付債務についても、計算結果の確認や補助資料の作成、連結データへの登録などを担当しています。加えて、今後予定している基幹システムの刷新にも携わっています。

年金運用については、当社は金融機関2社に運用を委託しておりますが、その運用状況のモニタリングを行い、社内の会議体を通じて、経営層や関係者に対して実績と見通しを報告しています。

藤井氏
押田氏

押田氏:普段は会計業務や資金、特に売掛金まわりを担当しています。そのほか、購買関連や監査法人対応、退職給付に関する決算資料の作成にも携わっています。

年金運用に関しては、IICPや金融機関との窓口対応が主な役割です。日程調整や資料の送付などのほか、社内や親会社向けの年金運用実績の報告書や資料の作成も行っています。

森川氏:同じく経理室でシステム関連の保守や登録作業を主に担当しています。年金運用については昨年から携わっており、用語も含めて理解できていない状態からのスタートでした。現在は、一つひとつ確認しながら、周囲に聞きつつ業務を進めているところです。

年金運用の業務の流れについて教えてください。

藤井氏:まず、金融機関2社に委託している運用の実績について、四半期ごとにヒアリングを行っています。ヒアリングでは、期末時点の実績に加えて、その年度の見通しや、今後のアセットミックスの変更、ファンドの状況などを確認しています。それらを踏まえて、当社の運用として問題がないかという点を中心にモニタリングしているという状況です。

その結果については、年に2回開催している年金運用委員会で報告しています。ここでは、金融機関からのヒアリング内容に加えて、IICPからいただいた資料やアドバイスも参考にしながら説明を行い、適正に運用されているかの確認と決議をしています。

そのほかに社内向けの報告や親会社への報告の機会もありますか?

藤井氏:6月頃には総幹事の金融機関による財政検証があり、こちらについても社内決議が必要になるため、社内で報告を行っています。

親会社に対しても、年に1回、年金運用の状況を報告しています。運用実績の数値に加えて、いくつかの質問にも回答しています。親会社側で確認された後、グループ各社のアセットミックスや運用実績などの資料が共有されます。当社としては、それらを見ながらグループ内の動向を確認しています。

年金運用コンサルティングについて

当社からどのような支援を受けているか教えてください。

藤井氏:四半期ごとの金融機関からのヒアリングの際に、IICPにも同席いただいています。その場で、運用実績や見通しについて、我々だけでは気づくことができないところをアドバイスいただいたり、金融機関に質問をしていただいたりしています。

ヒアリングの場では金融機関から、新たな運用商品に関する提案を受けることもあります。例えば、オルタナティブ投資のような提案をいただくこともありますが、我々としては、その是非を判断するだけの知見が十分にあるわけではありません。そういった場面でも、IICPから『こういう観点で考えた方がよいのではないか』といった形でアドバイスをいただいています。

ヒアリング後には、金融機関から受領したデータをもとに、IICPの方でモニタリング結果として資料を作成してもらい、当社に報告していただいています。

2022年には金利上昇局面の対応について、検討されたようですね。

藤井氏:2022年頃、金利上昇を受けて、当社の資産配分を改めて評価する必要性を感じました。具体的には、国内債券の比率が、『やや高いのではないか』という問題意識がありました。ただ、当時の状況として、すぐに国内債券の代わりにオルタナティブ投資を導入するなど大幅にアセットミックスを変更することが妥当なのかどうか、我々だけではなかなか判断が難しい部分がありました。

そこでIICPにご相談し、『今のタイミングでオルタナティブ商品を導入するべきか、それとも見送るべきか』といった点について、さまざまな観点からアドバイスをいただけたことで、最終的には、オルタナティブ商品の導入は見送り、資産構成割合の変更で対応するという判断をすることができました。

 

専門性を補完し、安心して相談できる存在

当社のサービスがどのように役立っているか教えてください。

【1】担当者の視点

藤井氏:私は年金運用を専門として担当しているわけではなく、社内には知見のある人もいないので、気軽に相談できる相手がいないという状況があります。

そんな中でIICPの存在は、判断に迷う場面でも気兼ねなく相談できたり、アドバイスをいただける点は大変助かっています。また、年金運用は、制度変更や退職給付債務の計算などもセットで考える必要がありますが、幅広い視点から情報提供をいただけるのは、ありがたく感じております。

藤井氏

【2】実務面での活用

藤井氏:年金運用委員会向けの資料には定型の形式がありますが、特に冒頭の市場動向に関するコメントについては、自社だけで作成するのは難しい部分があります。世の中の動きはインターネット等で情報を入手できますが、どれを参考にしていいのか、わからないことが多いからです。

そうした場合に、IICPからいただくモニタリング資料は当社に沿った形で作成いただいているので、活用させていただています。

 

【3】企業の視点

藤井氏:我々は年金運用の知見が少ないので、金融機関2社の意見だけで判断するのはリスクがあり、難しい部分があると感じています。そうした中で、IICPのように第三者として意見をいただけることで、客観的に判断が正しいかどうかの検証もできます。

結果として、会社としてガバナンスの効いた年金運用が実現できているのではないかと考えています。

2024年に運用基本方針や政策アセットミックスを見直したと伺いました。

藤井氏:当時、それぞれの金融機関のモデルアセットミックスをそのまま採用しており、当社として独自にアセットミックスを持っていない状況でした。運用基本方針においても金融機関のモデルに基づく形になっており、自社のポリシーがないまま運用していた形です。

そうした中で、IICPから『自社でアセットミックスを定め、それに基づいて運用するのが望ましい』とのご提言をいただき、社内でも見直すべきだという判断になりました。

見直しにあたっては、年金財政の状況確認やデータ分析、各資産の期待収益率やリスクの算出などを基に、複数のアセットミックス案を作成いただき、比較しながら検討を進めました。

最終的にその中の一つを採用し、当社として定めたアセットミックスに基づいて運用することで、「お任せの運用から、自社主導での運用」に変えることができました。IICPには、金融機関との相談や協議の場にも同席いただきました。

サービスを利用する中での印象や感想を教えてください。

藤井氏:幅広い知見に基づいたアドバイスや情報をいただけていると感じています。自分たちだけではタイムリーに情報をキャッチすることも難しいので、そうした情報を提供いただけるのは非常にありがたいです。

また、費用面も含めて考えたときに、業務範囲外の情報までご提供いただけたり、スピード感を持って対応いただけているなど料金以上の価値を提供してくれていると感じています。そうした点も踏まえると、非常にコストパフォーマンスの高い仕事をしていただいているという印象です。

押田氏:年金運用に関する会議の場では、専門用語も多く理解が難しい場面が多かったのですが、IICPには初心者でも分かるように噛み砕いて説明していただけるので、とても助かっています。また、分からない点についても的確にアドバイスをいただけるだけでなく、『こういう考え方で対応しています』といった背景も説明していただけるので、初心者の立場から見ても、専門性の高さを実感することが多いです。

森川氏

森川氏:年金運用の業務では、聞き慣れない専門用語が多く、最初は内容を理解するのが難しいと感じる場面も多かったです。

IICPには本当に分かりやすく説明していただいており、話しやすさ・聞きやすさの面でもとても助かっています。金融機関からの説明は知識があることを前提に進むことも多いのですが、その中で分かりにくい部分について補足していただいたり、代わって質問していただいたりして、いつも感謝しています。

 

専門的な判断が求められる中で第三者の意見は有効

コンサルの利用を検討する企業に、コンサル選定のアドバイスをお願いします。

藤井氏:当社のような1,000人規模の企業では、年金運用に関する専任の人材を置くのはなかなか難しいと感じています。

また、今後は人材確保もより難しくなっていく中で、こうした専門性の高い領域を社内だけで担っていくのは簡単ではないと思います。年金運用は専門性が高いだけでなく、さまざまな要素を踏まえて判断していく必要があるため、単独で、あるいは総幹事の意見だけで進めていくのは難しい場面も多いと感じています。

このような状況では、IICPのように第三者として意見をいただける存在を活用することは非常に有効だと思います。特に、DBからDCへの移行や、年金情報の公開といった、難しい判断が求められる局面では、外部の視点を取り入れながら進めていくことが望ましいのではないかと考えています。

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※取材日時:2026年5月

※記載の担当部署は、取材時の組織名です。

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