コンサルタントのフィードバックを積み上げたマニュアルで、引き継ぎ後もスムーズに業務を進められています

「IICPからのアドバイスと提案を基に、初代担当者からの失敗と改善で作り上げた
オリジナルマニュアルをバトンとして現在の担当者までつながっています。」
セイコーエプソン株式会社 人事部 課長 佐々木 政弘 氏 (左)
セイコーエプソン株式会社 人事部 矢尾 ひろ美 氏 (左中)
セイコーエプソン株式会社 人事部 登坂 篤 氏 (右中)
株式会社IICパートナーズ 担当コンサルタント 遠藤 友和 (右)
目次
- 1 :エプソンの概要
- 2 :ご担当者様の業務について
- 3 :担当者変更に伴う引継ぎ方法
- 4 :サービス利用で実感していること
- 5 :今後の期待
1942年に諏訪の地に創立し、以来創造と挑戦を重ね、世界中にお客様の期待を超える製品、サービスをご提供されているセイコーエプソン株式会社(以下、エプソン)は、2010年度より「退職給付債務計算サービス(以下、DBO計算サービス)」をIICパートナーズ(以下、IICP)にご依頼いただいており、DBO MASTER(IICP提供計算ソフト)を使用して自社計算された後、IICPで検証・署名サービスをご提供しています。今回は、現在計算業務に携わっている人事部 矢尾 ひろ美氏と前任の人事部課長 伊藤 知樹氏に、業務の進め方や工夫されていること、担当者引き継ぎの方法などを伺いました。

企業情報 | セイコーエプソン株式会社 (SEIKO EPSON CORPORATION) https://www.epson.jp/company/info.htm |
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所在地 | 長野県諏訪市大和三丁目3番5号 |
設立 | 1942年5月18日 (昭和17年) |
人員数 | 連結77,642名/単体12,630名(2022年3月31日現在) |
グループ会社 | 80社(当社を含む)国内19社、海外61社(2022年3月31日現在) |
エプソンの概要
「省・小・精の技術」をベースに、社会課題解決に向けた価値の創造を。
御社について教えてください。
当社は、2022年5月に創立80周年を迎えました。1942年の創業以来培ってきた「省・小・精の技術」をベースに、お客様の期待を超える商品・サービスをお届けすべく、創造と挑戦を重ねてきました。社会課題を起点に、エプソンの企業活動によって社会課題を解決する価値を創造し、継続して提供しています。主に、環境負荷の低減、労働環境の改善、分散型社会をつなげる、インフラ・教育・サービスにおける質の向上、ライフスタイルの多様化の社会課題解決に向け、「環境型経済の牽引」「産業構造の革新」「生活の質向上」「社会的責任の遂行」を重要テーマとして取り組んでおります。

主な事業として、オフィス・ホーム用インクジェットプリンターやシリアルインパクトドットマトリクスプリンター(SIDM)等の「オフィス・ホームプリンティング事業」、プロジェクターやスマートグラスなどの「ビジュアルコミュニケーション事業」、産業用ロボット、小型射出成形機などの「マニュファクチャリングソリューションズ事業」、ウォッチやウォッチムーブメントなどの「ウエアラブル機器事業」、水晶デバイスや半導体などの「マイクロデバイス他、PC事業」などを展開し、環境に配慮した持続可能でこころ豊かな社会の実現を目指しています。
ご担当者様の業務について
IICPの勉強会やセミナーに参加して、一から勉強しました。
矢尾様の普段の業務内容とDBO計算の担当になられた時期を教えてください。
人事部で、従業員の査定や昇格試験の対応といった賃金全般を担当しており、その中で、このDBO計算とDC(確定拠出)の事務一般を行っています。
DBO計算は、3年前から担当させてもらっています。初年度は12月から4月までたくさんの時間がかかりましたが、2年目、3年目は12月に計算後は修正もなく、3月末から決算に向けての業務対応のみで、時間もかからずスムーズに対応できるようになりました。
御社はDBO MASTERを使用して社内で計算した後、IICPに検証を依頼していますが、スムーズに業務が進むようになるにはかなり勉強されたのでしょうか?
担当になってすぐ、IICPに伺った際にレクチャーをしていただきました。全く専門用語も分からない状況でしたので、非常に助かりました。また、IICPがオンラインで配信されているセミナーなどを受けさせていただいて、計算についてはある程度分かってきたと思っています。ただ、そこから決算や経理に紐づくところがまだ理解が足りず、そのあたりをさらに勉強していきたいと思っています。セミナーでもP/Lへの影響といった内容の講義を受講させていただいています。IICPのセミナーは、知識がなく分からない人に対しても分かりやすい解説があり、非常に参考になります。
また、社内で説明する際には、Pmasの「退職給付とは」というページを参考にさせてもらっています。

DBO MASTERの使い心地はいかがですか?
業務マニュアルに沿って計算をしていますが、画面も分かりやすく、計算もスムーズにできています。初めて計算をまわした際は、とても難しいものだと思っていましたが、とても分かりやすく簡単で驚いた覚えがあります。
ただ初年度の予算計算の際にミスがあって数値がズレてしまい、それを身をもって経験したので、次の年からインプットデータとエクスポートされたデータを比較してしっかり確認するようにしています。
担当者変更に伴う引継ぎ方法
IICPのフィードバックが蓄積された実務マニュアル
御社には引継ぎ用のマニュアルか何かがあるのでしょうか?
そうですね。もちろんデータを作るマニュアルもありますが、チェックリストを作っていて、「ここは過去と比較する」とか、「このポイントについては変わっていないことを確認する」、「ここは増えているはずだが、増えていない場合はこういうケースがある」というような形で一つずつ確認するようにしています。マニュアル自体は私が担当になった時からありましたので、そのチェックリストを私が追加で作っています。受け継いだマニュアルには「以前○○のデータ入力ミスをしてしまったことがある」など過去の失敗もすべて書かれていて、そこに少しずつ事例を追加していっています。今ではご指摘をいただくこともなくなり、かなり整備されてきているなと感じます。
このあたりは前任の伊藤に聞いてもらうと良いかもしれないですね。
では伊藤様にマニュアルについてお話を伺いたいと思いますが、作り始めたのは伊藤様なのでしょうか?
業務処理マニュアルは私が作りました。私が海外赴任することになって、誰かに引き継がないといけないという時に必死に作った記憶がありますね。当時は本当に、遠藤さんにいつもお世話になりながら、なんとか業務を回していたという記憶しかないですね。12月頃に憂鬱になり3月くらいまで続くっていう…。ですので後任になるべくわかりやすいものを作成しました。
伊藤様が前任から引き継がれた時はいかがでしたか?
マニュアル自体は引き継いだ時にもあったんですけどそんなに細かく書いてない、端的に書いたマニュアルだったんですね。それで当時大変な目にあって…自分の苦い経験もあって、もう少し手厚くしないとなって思って今のものを作ったんです。
データをシステムに入れていく手段はマニュアルにあったんですけど、毎年直面する事象が違っていて、システムにデータを入れたあと、1月2月くらいに遠藤さんにいろいろ確認いただいて、フィードバックいただく機会がありました。

そこで結構ご指摘いただいたりして、わかってきたこともあったので、そのノウハウを蓄積してマニュアルに追加していくことで、なるべく毎年同じような問題が起きないようにしたというのがありますね。ですので遠藤さんからのフィードバックが蓄積されてマニュアルに反映されている気がします。
サービス利用で実感していること
迅速にきめ細やかなサポートがいただける
IICP担当者の対応や印象はいかがですか?
矢尾様:最初は数理人さんと聞くとお固いイメージがありましたが、実際にお会いすると何でも聞きやすくて、質問した時に本当にレスポンスが早いのがいつもすごく驚きでした。少しはずれたような、これはこういう考え方で良いですか?といった質問にも、いつも丁寧に回答いただいてすごく助かっています。
伊藤様:非常にまじめな方だなというのは私がお付き合いしていた時に思いました。一方でホームページか何かで拝見した時に、趣味などが書いてあって、ちょっと意外な面もありました。すごく真面目なのだけど違う側面もあってバランスの良い方なんだなと思った記憶がありますね。あとは、おそらく立場上答えにくいだろうなという質問をした時にも、アドバイスしていただけて本当に助かりました。
これからDBO計算の委託先を検討する他社様にIICPをおすすめするポイントがあれば教えてください。
本当に素早いというのが印象的です。迅速にきめ細やかなサポートをいただけます。
業務の最後の方になると本当に時間がものをいうというか、計算していて時間がなくなってしまうので、いつでもご回答いただけるというところが非常にうれしいところですね。あとはやはり専門知識です!何を聞いてもお答えいただけるところがすごいなと思います。
計算ソフトのDBO MASTERも順番に押していけば結果が出てくるところは非常に分かりやすいです。他社ですと数理人だけが担当される会社もあると思いますが、システムのところまで相談に乗っていただいて、アドバイスいただけるというのは、なかなかないサービスなのかなと思いました。
今後の期待
今後IICPに期待することを教えてください。
矢尾様:本当にいつも丁寧に対応してくださっているのでとても満足しています。期待といいますか、私は自分でデータを作ってDBO MASTERに入れて計算を実行しますが、DBO MASTERの中でどのような計算をされているのか理解していないので、そのあたりを少し知ることができたらありがたいなと思いますね。
伊藤様:私がフィリピンの海外現地法人にいた時に、同じく年金制度があって、計算結果を見たりしていたんですけど、結構、数理人がいい加減だったんです。特に日本で遠藤さんといろいろやりとりさせていただいたのでなおさらそう感じたと思うんですけど、使用するデータが間違っていて、かなりBSへの影響があったりして、こちらで直したり、本当に苦労しました。海外の駐在の人からしても頼るところがあるといいのだろうなっていうのを感じたので、もし今後IICPで対応していただけたりすると助かる方はいるんじゃないかなと思います。
【 IICP担当者 東京本社コンサルタント遠藤より 】 矢尾様、伊藤様、お忙しいところ弊社事例取材にご協力くださりありがとうございました。 セイコーエプソン様は長年に亘りDBO計算ソフト DBO MASTERをご使用されています。計算ソフトと言うと担当者の異動で使える人がいなくなってしまい委託計算に切り替えざるを得なくなったと言う事例も多数見てきましたが、セイコーエプソン様では担当者の変更があっても高いクオリティで計算ソフトを使いこなしていました。その秘訣が今回のインタビューで分かったように思います。 また、私個人として身に余るお言葉を頂き、身が引き締る思いです。DBO MASTERだけではなく退職給付全般の身近な専門家としてお役に立てることがあると思いますので、いつでも何なりとご相談くださいませ。今後ともよろしくお願いします。 |
※取材日時:2022年6月
※記載の担当部署は、取材時の組織名です。