開発メンバーに聞いた!新サービス「退職給付会計アドバイザリー 3-SET」の魅力とは?

退職給付会計のプロが、お客様からのお困りごとで多く寄せられる退職給付債務(PBO)計算の次の工程である、会計の部分にスポットを当てて開発した「退職給付会計アドバイザリー 3-SET」を、より柔軟にご提供できるよう発足されたチームです。 |
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目次
新サービス「退職給付会計アドバイザリー 3-SET」開発の裏側にせまってきました!6名のメンバーが語る、サービスの魅力をお届けします! |
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退職給付会計アドバイザリー 3-SETの概要
退職給付会計業務の属人化を解消、業務を効率化したいお客様にむけ、次の3つを提供するサービスです。
定形の資料提供とは異なり、個社事情をふまえお客様と一緒に作っていくのが特徴です。
1 | 2 | 3 | ||
手順 | 要領 | ツール | ||
Step | ≫ | Essence | ≫ | Tool |
どなたでも、複雑な業務も 迷わずに完結できるよう サポート |
監査対応ノウハウをもとに 見直し対象等の整理をし、 ルール策定 |
個社事情に沿った、 弊社製Excelツールへの 移行、保守 (弊社でも毎期の数値確認) |
3-SET開発に至った経緯
「退職給付会計アドバイザリー 3-SET」開発に至った経緯を教えてください。
弊社に退職給付債務計算サービスを依頼されているお客様の中でも会計部分にお困りのお客様には、従来から、より手厚いサービスの一つとして、会計報告レポート付のプランを用意したり、コンサルティングの中で退職給付会計の部分も対応していましたが、 2~3年程前から、その会計部分にフォーカスしたお問い合わせをいただくことが増えてきました。実はお客様がストレスを感じ、改善したい課題は退職給付会計の会計処理だという点に気づかされ、退職給付債務計算(DBO計算)は他社に委託されていたり、ソフトで自社計算しているお客様に対して、退職給付会計業務をサポートする必要性を感じました。

大森 祥弘
信託銀行、保険会社といった同業他社ですと、引き受けるのを躊躇するような内容ではありますが、「弊社のコンサルタントには解決できる」、「IICパートナーズにしかできない会計業務のアドバイザリーサービスが必要とされている」、という思いで走り続けた結果、3-SETが開発できたという流れです。
既に提供されている企業については、当初想定していた状況でしたか?
お客様は普段から会計に携わっているため、自社の会計業務について理解されているという前提で、課題に感じていることをお話くださいますが、我々が無料体験の中で会計のワークシートや資料を拝見すると、お客様からいただいた課題として想定していたものよりも、もっと根本的なところに課題が見つかることがあります。
これまでは弊社で退職給付債務計算も行っているお客様に対して、会計業務のアドバイザリーをしていましたが、3-SETでは、退職給付会計部分を切り出して改善していくため、他社に計算を依頼されているお客様にもサービスを利用いただいています。そのため今まで以上のコミュニケーションが必要となってくると思います。
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始動して見えてきた、課題とお客様像
プロジェクトを始動してみて感じていることや、リアルなお客様の課題を教えてください。
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プロジェクトチームとしては今年の7月1日にスタートしましたが、昨年の秋ぐらいからサービスには関わっていました。実際に提供していくと、想像していたよりも複雑な会計処理を、お客様自身で行っている企業が多いことを知りました。 先方の担当者変更の際に引き継ぎが難しくなり、IICパートナーズの3-SETを利用するという流れになったお客様も、想像していたよりもはるかに高いレベルのところまで、自社でこなされている状況でした。 また、実際の決算よりも予算のところで困っていたり、会計処理も単体から連結に変更する際の修正仕訳で困っていたりと、退職給付会計に関することとしては共通していますが、お客様によって困っている内容が全然違っていたので、当初想像していた、通常の決算部分をサポートするサービスというものではなく、広範囲にお客様が困っている課題を解決する必要性を感じています。 |
ベースとして現状のお客様自身が行っている事務作業があって、その延長線上に我々が作るツールや手順があるというイメージでいましたが、実際にサービスを開始すると、そもそもお客様が今行っている手順や、会計処理の進め方自体が、本当にお客様にとって適切なのか?と感じることとなりました。 お客様にとっての適切なものを追求した結果、出来上がりは当初想定したものとは全く別ものになっていたというケースもあります。3-SETは、現状を基に開発していくというものではなく、ベースの部分も一緒に改善していくサービスなのだと気づき、奮闘しています。 |
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お客様は会計処理を行うために、Excel等のツールを使用されていることが多く、3-SETの提供を始めてから拝見する機会も増えましたが、予想以上に複雑で解りにくいものが多いなと感じています。 よくあるケースとしては、Excelの中に使用していないシートも混在していて、見た目のボリュームが多くなってしまい、どこが数値の入力箇所かわからないツールです。 また、言葉による説明がとても少ないので、我々のような専門家が見ても、式を読み解くのに時間を要することが多いです。その起因として、退職給付会計は複雑ですし、基準によってルールが異なったり、担当者の引継ぎ頻度が高かったりする可能性があると感じています。会計処理だけなく退職給付債務の数値を作る上でも、補正計算だったり、開示項目の作成など、お客様の中でかなり複雑なことをされているケースも多いので、予想以上に管理自体が大変だったりして、困っているお客様は多いと実感しています。 |
担当者は引き継いだ通りに業務を進めていきますし、何が最適なのか専門的な所の判断は難しい分、そのままの状態で複雑な作業をしてしまっていたんですね。 |
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3-SETを利用すると、その複雑さは改善されるのでしょうか?
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そうですね…退職給付会計自体が複雑なので、残念ながら、すべての複雑さを取り除くことはできないのですが、これまで複雑な作業をして複雑なことをしていたのが、3-SETを利用すると、簡単な作業をして複雑なことができるようになるというイメージかと思います。 |
どの企業も担当者は会計処理に大変な思いをしているということが想像できたので、3-SETが活躍しそうだなという印象ですが、どんな企業に3-SETをおすすめしますか?
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例えば、連結する時に作業が複雑だとか、経過措置が複数あってデータを作るのが大変というケースや、会計にあまり詳しくない人事部門が主体の体制で進めていて、正解が分からなくなり、会計も複雑になってしまっているケースがよく見受けられます。自力で解決するのはかなり大変ですし、修正すべき箇所が埋もれていってしまうと思いますので、ぜひ我々を頼っていただきたいですね。 |
業務が複雑になってしまう要因として、後任へノウハウが継がれていかなくなったり、説明が記載されていないので分からないといった課題が多かったりします。社内に継続して退職給付業務を担当している方がいれば、実は何とかなってしまう面もありますが、結構頻繁に担当者変更があったり、ノウハウが失われやすい場合には、業務を整理することが有効だと思いますので、3-SETとの相性がいいかなと思います。 |
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そうですね。「退職給付費用は前年度と同じようにします」といった形で、予算のタイミングでは細かく見ないような企業では、そこまでこのサービスは必要ないように感じます。逆に、予算の段階から部門ごとに費用を真面目に組んで、精緻に管理しているような企業には、3-SETが必要になってくると思っています。 |
ここで少し、現在アシスタントとしてサービス提供に係っている、メンバーにもお話を伺ってみようと思います。 |
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普段関わっている退職給付債務計算と異なるところはどんなところですか?
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退職給付債務計算に係る会計以外の会計処理については、お客様の悩みを聞いても、なかなかよい解決策を出せずに悩むことも多いです。プロジェクトメンバーは、お客様の課題を聞く能力だったり、ツール制作技術だったり、お客様が気づかないところまでカバーする力だったりと、それぞれ得意分野を持っているので、自分だけで解決するのではなく、都度相談してプロジェクトを進めています。 |
無料体験のサポートをして感じることはありますか?
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無料体験をサポートしてみて、私が難しいと感じているのはどこまで踏み込んで良いのかということです。お客様のツールを拝見して、今の進め方でも内容は間違っていないけれど、もっと違う方法があるなと感じることがあります。退職給付会計の分野ならば、どこまで伝えるかというラインが分かりますが、会計に関しては経験が浅い分、正解を見つけるのが困難です。自信を持ってサポートするためにも、さらに知識をつけていきたいと思います。 |
今後に向けた意気込み
お客様の課題を一緒に解決するにあたって、今後どんな風に向き合っていきたいか、お客さまに向けて、ご自身の抱負をお願いします。
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このプロジェクトに入ったことで退職給付債務計算のその先の部分である会計処理の部分の実態に触れて、実は今まで相談を受けてきた以上に、お客様が課題に感じていることが多い現状を目の当たりにしました。 例えば、アドバイザリーを実施した後に、閉鎖型年金の会計上の取扱いに関する相談や、持株会社体制への移行に伴う相談など、退職給付会計関連の困りごとを相談していただく機会が、かなりありました。実際に我々に見えていないだけで、お客様が困っていることは非常に多いと感じましたので、そういったことまで解決手段を提供できるように、今後もサポートして行きたいと思います。 |
これまでは退職給付会計の部分だけを専門的に提供していましたが、もっと広範囲の会計について知る必要があると思い、簿記等を勉強して3-SETの提供に臨みました。 連結決算そのものはどんな風に行っているのか、精算表を作って…という業務の細かいところまで、頭の中に入れていたおかげで、経理の方の話もスムーズに理解でき、サポートできたように思います。 この先ご相談いただく企業でも、様々なケースが生じることを想定すると、もっと会計の部分をしっかり理解していないと難しくなってくることもあると思いますので、どんな企業にも対応できるよう、もう少しその辺りを幅広く磨いて、高いレベルを求められるサービス提供の機会があった時に、対応できるようにしておきたいなと思っています。 |
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お客様が使いやすい、分かりやすいツールを作って納品することが私には求められていますが、今はどの方法がよりそれに近づけるのか、試行錯誤を繰り返しながら作成しているところです。 個人としては、退職給付会計以外の会計についての知識をさらにつけていき、Excelなどが得意じゃない担当者でも分かりやすくて使いやすい、かつ安全に長期間使えるツールを開発していけるよう努めていきたいと思っています。 |
私も今まで退職給付会計以外の会計の分野のことは、そこまで学んでこなかったですが、お客様の課題を解決するならば、いろいろな周辺知識が必要になってくると思います。私はまだその辺りの知識が足りていないと感じているので、サービスに触れながら成長していきたいなと思います。 |
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退職給付債務計算のサービス提供しているお客様からも、困りごとを伺う機会というのはありましたが、実はそれは氷山の一角だったのだなというのがよくわかりました。今後3-SETを発展させていくためにも、お客様が本当に困っているのはどんな事なのかを聞きだす能力を磨いて、お客様の困りごとをよりたくさん吸い上げられるような力をつけてサポートしていきたいなと思っています。 |
今後のサービス提供や、プロジェクトに対しての期待・抱負をお願いします。
昨年から毎月3-SET の無料体験付きウェビナーを開催しており、お客様からは賛同もいただいていて、少しずつですがプロジェクトの課題に取り組んでいる状況です。 3-SETプロジェクトのメンバーについては、既に専門家集団の一員でありながらも、お客様のためにさらに成長したい、スキルを磨きたいと思うことが多々あったということは、よりよいサービス提供する上で良いことだと思いました。
事実、お客様からの課題解決の要求水準が高かったり、これまでやった事がなかったことをやらざるを得ない内容です。3-SETは、手順、要領、ツールというコンセプトを元に進めていくサービスなので、通常のサービス提供よりも大変なことが多々あると思いますが、その分コンサルタントとしては、これまでの3倍ぐらいの成長スピードになると思います。
今後の展開としては、会計処理でお困りのお客様の課題をしっかり解決していき、もしも会計コンサルティング会社や、監査法人の方が退職給付会計で困っていて、どこかの手を借りたいといった時に、IICパートナーズの3-SETのメンバーと仕事がしたい、こういったプロジェクトに関与してみたいと思っていただけたらいいなと思っています。
会計の業務改善は、どうしても自分だけで解決するのが難しく、課題が後から出てきやすいので、社外のプロの方たちとも一緒に解決していけるような機会を、私としては提供していき、3-SETの幅を広げていきたいです。 |
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※取材日時:2023年10月
※記載の担当部署は、取材時の組織名です。
3-SETは退職給付債務計算に増して、コンサルティング要素が強いサービスなのですね。個社事情に合わせたサービスというのがよくわかりました。 退職給付債務計算をサクサクこなすメンバーでも、お客様が複雑で大変な業務をこなしているのを知ったという話を聞いて、世の中のほとんどの企業は気づかないところで、困っているのだろうと感じましたので、3-SETプロジェクトには1つでも多くの課題を解決して欲しいなと思います。 |
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