原則法へ移行するまでのステップ
原則法へ移行するまでのステップ
1.事前確認
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退職金規程や企業年金規約を用意
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退職金や企業年金について定められた規程を入手します。
※就業規則の中で定められている場合もあるので注意しましょう。
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退職金の構成の確認
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退職金をどのような制度で用意しているかを確認します。
具体的には、会社から支払う退職一時金、外部積立の確定給付企業年金や確定拠出年金などがあります。
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退職金が適用される従業員数とその見込みの把握
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退職金規程や企業年金規約に適用となる従業員が定義されています。
新卒や中途による入社を考慮して、今後数年間の従業員数の大まかな推移も確認します。
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原則法の適用要件に当たるか確認
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日本基準の場合、退職一時金・確定給付企業年金が適用される従業員数が現時点で300名以上、あるいは近いうちに達する場合は、
原則法による退職給付債務計算の検討を始めましょう。
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退職金の構成の確認
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現在、退職給付引当金をどのように算出しているかを確認します。
※自己都合要支給額など
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原則法の適用方針の確認
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担当の会計士やグループの親会社に、原則法を適用する必要性について確認します。
原則法を適用する場合は、そのタイミング、会計処理方法、開示に必要な項目等を確認します。
2.委託先選定
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退職給付債務計算の委託先候補のピックアップ
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WEBで検索したり、グループ会社や担当の会計士、取引のある金融機関に聞いたりして、候補先を2~3社ピックアップします。
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問い合わせとヒアリング
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委託先候補のサービス内容と特色を把握しましょう。要件や課題を共有し、提案を依頼します。
併せて、質問を投げかけて退職給付会計の理解を深めましょう。
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9
規程等の提出
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委託料の見積のために退職金制度の把握が必須となります。
必要に応じて、秘密保持の誓約書を提出してもらうなどして、資料を提出しましょう。
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提案の比較と選定
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メールで提案書や見積書を受領するだけではなく、直接説明を受けましょう。
複数の観点で選定の基準を設けて、自社に最適な委託先を選びましょう。
3.業務委託
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委託先との契約書の締結
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必要な納品物などが明記されているか確認しましょう。
また、請求のタイミングについても問題ないか確認しましょう。
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スケジュールの確認
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人事データの提出期限や報告書の納品期限について、委託先と認識を共有します。
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計算前提や必要データの項目の確認
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計算前提については委託先から提案されるので、不明な点を確認します。
必要データ項目はフォーマットを基に人事部門に作成を依頼します。
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委託先に計算を指示
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提案された計算前提については、必要に応じて担当の会計士にも確認した上で、委託先に計算の指示を行います。
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15
計算に使用する人事データの提出
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人事部門で作成したデータを委託先に提出します。委託先から不明点の確認があれば、回答します。
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納品物の受領
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指示通りの計算前提であるか、使用データは提出したデータと同じか、納品物の不足はないか、確認します。
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17
計算結果や影響について説明を受ける
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直接説明を受ける機会を設けます。
特に簡便法との差異については、社内外で説明する機会が多くなりますので、よく確認しましょう。
4.社内説明
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社内で影響について説明
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上司や関連部門に原則法適用時の影響を説明します。
※委託先の協力を得てスムーズに進めましょう。
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親会社や担当の会計士に影響について説明
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親会社や担当の会計士に原則法適用時の影響を説明します。
※委託先の協力を得てスムーズに進めましょう。
5.適用時
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期首もしくは期末に退職給付債務を確定
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原則法の適用日の前に計算を実施した場合は、数値を確定させるためのフローを関係者で事前に共有しておく必要があります。
大きく分けて、自社で補正する場合と委託先に補正や再計算を依頼する場合があります。
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確定した退職給付債務を基に適用時の会計処理
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経理部門にて、従来の簡便法の退職給付債務との差額を一括で処理します。
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残高確認書の委託先への送付手続き
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担当の会計士から依頼があった場合は、所定のフォーマットを使って、委託先に残高確認依頼を送付します。
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有価証券報告書への開示作成
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提出会社の場合は、会計基準等で開示が求められている項目についての記載を作成します。
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計算結果を基にした翌1年間の費用計上
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原則法は期首に翌1年間の費用が計算されるため、月次であれば12分割して、退職給付費用の計上を行います。
原則法移行時に懸念されるリスクは下記ご参照ください。
退職給付債務計算でお困りなら是非ご相談ください
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- IFRS(国際財務報告基準)による計算が必要になった。
併せて、子会社についても原則法による退職給付債務を把握する必要が出てきた。 - 今依頼している委託会社の計算期間が長く、作業負荷が大きい。
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