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年金資産運用プロセスのCheckフェーズの「運用資産全体の状況確認」および「個別運用商品の状況確認」の総論について

今回のコラムでは、年金資産運用プロセスのCheckフェーズの「運用資産全体の状況確認」および「個別運用商品の状況確認」の総論について。
※このコラムは、規約型確定給付企業年金(以下、規約型DB)の年金資産運用責任者および担当者様向けです。解説を見る→

IICパートナーズ コンサルタント 村上 慶
            著者プロフィール
掲載日:2018年3月5日

写真:村上慶

解説

前回のコラムでは、年金資産運用プロセスのDoフェーズの「運用受託機関の選任」および「運用ガイドラインの提示」について解説しましたが、今回のコラムでは、年金資産運用プロセスのCheckフェーズの「運用資産全体の状況確認」および「個別運用商品の状況確認」の総論について解説致します。

 年金資産運用プロセス(PDCA)
対応する
DBガイドラインの
条項
 フェーズ タスク 
Plan 運用基本方針の策定
政策アセットミックス(政策的資産構成割合)の策定
資産毎の運用内容・運用期間構成の策定
3(4)
3(4)

3(2)
Do
運用受託機関の選任
運用ガイドラインの提示

3(5)①
3(5)②
Check 運用資産全体の状況確認
個別運用商品の状況確認

3(5)②,3(5)③
Action 時価資産構成比と基本資産配分の乖離の調整
運用内容・運用期間構成の見直し
政策アセットミックス見直し
3(5)③

年金資産運用プロセスにおいて、Checkフェーズは、Plan、Doのフェーズと同様に重要なフェーズですが、その重要性が周知されていないこと、管理手法が周知されていないこと等から、規約型DBにおいては、有効な取り組みがなされているところは少数ではないかと思われます。

Checkフェーズのタスクですが、運用の実績を確認することも重要ですが、それと同時に、資産配分構成、運用内容、運用機関構成等がPlanフェーズで策定した内容通りになっているかの確認が必要です。

規約型DBを実施している企業側の「Planフェーズで策定した通りに年金資産運用が行われているだろう」という思いに反して、運用機関に裁量を付与している場合、委託内容で認識が相違している場合等には、年金資産運用の実態が異なってしまうということは起こりえます。

従って、計画、指図通りに年金資産運用が実施されているかということのCheckが年金資産運用プロセスにおいて不可欠かつ非常に重要な確認事項となります。

Checkフェーズの管理方法

それでは、Checkフェーズの管理方法についてご紹介します。

年金資産運用のCheck項目を区分すると、以下の通りとなります。

区分 定性項目 定量項目
運用資産全体 運用方針
運用状況
運用体制
義務違反の有無
リターン
年金運用資産時価額
資産構成比率
個別運用商品 リターン
リスク

一般的に運用のCheckといった場合、定量項目のみをイメージされるのが普通ですが、運用機関の定性項目も重要な評価項目であることから、定量項目と合わせて定期的にCheckを行ないます。

年金資産のCheckを行うにあたってのプロセス

年金資産のCheckを行うにあたっては、以下のプロセスで実施します。

項目 内容 備考
1.報告の請求 運用基本方針等に定めた報告を運用機関に請求する。
(実務上は「運用ガイドライン」をもって運用機関に指図を行う)
【DBガイドラインの内容】
運用受託機関が契約及び運用ガイドラインに沿った運用を行っているかどうかを確認するため、運用受託機関に対し、運用の実態に関する正確かつ必要な情報の報告を求めなければならない。
運用受託機関に対し、少なくとも毎事業年度ごとに、運用状況についての時価での報告を求めなければならない。
2.報告 運用機関より書面ないしは対面で報告を受ける。 報告内容は、運用機関によって異なりますので、報告内容が十分でない場合には追加の報告を運用機関に請求をする。
報告は資産運用委員会等で運用機関から報告を受ける方法もあります。また、運用報告の場に専門家(含む外部)を同席させる場合もあります。
3.報告のとりまとめ 運用機関からの報告に、分析、評価を加えて報告書をとりまとめる。 報告のとりまとめは、専門家(含む外部)に行わせる場合もあります。
4.報告の展開 運用責任者、資産運用委員会等に報告を行う。
5.加入者への報告

上記プロセスで重要なのは、3.の「報告のとりまとめ」における分析・評価作業です。


この分析・評価作業については、ノウハウがありますので、本件については、次回コラムにてご紹介致します。


掲載日:2018年3月5日

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