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DB(確定給付年金)の制度改正について

今回のコラムでは、2018年4月より施行される「DB(確定給付年金)の制度改正」について解説致します。
※このコラムは、規約型確定給付企業年金(以下、規約型DB)の年金資産運用責任者および担当者様向けです。解説を見る→

IICパートナーズ コンサルタント 村上 慶
            著者プロフィール
掲載日:2018年2月26日

写真:村上慶

解説

今回のコラムでは、2018年4月より施行される「DBの制度改正」について解説致します。 (総合型DB基金に関する部分は省略)
なお、今回のDB改正までの経緯については、「厚労省の確定給付企業年金のガバナンスに関する見直しとは-1-」をご参照願います。

1.DBの制度改正の内容

今回のDBの制度改正されたのは下記2点で、いずれも年金資産運用に関する制度改正となっております。

(1)「運用の基本方針」及び「政策的資産構成割合」の策定義務化
(2)「確定給付企業年金に係る資産運用関係者の役割及び責任に関するガイドライン」の見直し

2.改正の概要

(1)「運用の基本方針」及び「政策的資産構成割合」の策定義務化

「運用の基本方針」の策定は、これまで小規模のDB(注1)には努力義務でしたが、全てのDBに義務化されました(注2)。
「政策的資産構成割合」の策定は、全てのDBにおいて努力義務でしたが、全てのDBにおいて策定が義務化されました。

よって、上記「運用の基本方針」または「政策的資産構成割合」を策定していなかったDBについては、2018年4月1日までに策定する必要があります

(注1)加入者数300人未満かつ運用する積立金が3億円未満の場合
(注2)受託保証型DBを除く

(2)「確定給付企業年金に係る資産運用関係者の役割及び責任に関するガイドライン(DBガイドライン、以下同様)」の見直し

DBのガイドラインの主な見直し内容は下記の通りです。

内容 備考
① 資産運用委員会
資産運用委員会の設置の義務化(資産規模100億円以上のDB)
変更(努力義務だったものを義務化)
② 分散投資
分散投資を行わない場合、基本方針を定めるとともに、加入者に周知する
運用委託先が特定の運用機関に集中しないための方針を定める
追加
③ オルタナティブ投資
オルタナティブ投資を行う際の、運用機関の選任及び商品選択の留意事項
新設
④ 運用機関の選任(評価の基準)
運用受託機関の選任・評価について、厚生年金基金ガイドライン(注3)の事例
定性・定量項目の一つである「内部統制の保証報告書の取得」、「投資パフォーマンス基準(GIPS)への準拠」の例示
追加
⑤ 運用コンサルタント
運用コンサルタントは金融商品取引業者の投資助言・代理業者であるとともに、その採用の際に運用受託機関との間で利益相反がないか確認する
新設
⑥ 加入者への報告周知事項
資産運用委員会の議事録の保存、議事概要を加入者に周知する
追加
⑦ スチュワードシップ責任、ESG
スチュワードシップ・コードの受け入れや取組み、ESGに対する考え方を運用受託機関の選任評価の際の定性評価項目とすることを検討することが望ましい
追加(努力義務)
⑧ 加入者等への説明・開示その他
加入者等への業務概況の周知において、加入者等へわかりやすく開示するための工夫を講ずることが望ましい
追加(努力義務)

注3:厚生年金基金の資産運用関係者の役割及び責任に関するガイドライン

3.改正への対応

今回の制度改正項目は、全部で10項目でありますがが、その内訳は、①変更(努力義務だったものを義務化)で3項目、②新設項目で2項目、③追加項目で5項目(うち2項目は努力義務)となっており、相当な見直しとなっております。

厚労省は、施行日である2018年4月1日までの体制整備について言及していますので、少なくとも義務化された事項に関しての対応は早急な体制整備が求められている状況にあります。

なお、今回の制度改正事項の参考になると思われる当社のコラムについて、下記の通り紹介致します。

(1)運用の基本方針の策定

年金資産運用プロセスのPlanフェーズ:「運用基本方針の策定」についてを参照

(2)政策的資産構成割合の策定

年金資産運用プロセスのPlanフェーズ:「政策アセットミックスの策定」についてを参照
年金資産運用プロセスのPlanフェーズ:「政策アセットミックス」の策定する際の留意点についてを参照

(3)DBガイドラインについて

規約型確定給付企業年金の年金資産運用に関わる規制の立て付けについてを参照

掲載日:2018年2月26日

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