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年金資産運用の「Check」~運用成績の定性的な評価について

年金資産運用の「Check」サイクルについて、前回の運用実績に関する定量評価の解説に引き続いて、今回は定性評価について解説します。解説を見る→

IICパートナーズ コンサルタント 向井 洋平
著者プロフィール
掲載日:2015年9月16日

解説

定量評価は数値で結果を確認したり比較したりすることができるので、客観的な判断基準を設けることができますが、これらはあくまで過去の運用結果の評価であり、将来の結果を保証するものではありません。

そこで、定性評価も併せて行うことで、将来に対する期待も含めて総合的に判断することが重要になってきます。定性評価とは、つまるところ運用機関や運用商品が「信頼に足るものかどうか」を評価するということです。

以下、定性評価を行うにあたっての基本的なポイントについて解説します。

運用指針(ガイドライン)の確認

運用機関に対して提示した運用指針(ガイドライン)に定められた事項、例えば資産構成や運用手法について、実際その通りの運用が行われているかどうかの確認です。

基本的なところですが、ガイドラインに定められた内容についての理解を運用機関側と共有できているか、ガイドラインに定められた内容そのものが妥当かの確認にもなりますので、ひととおり確認しておくことをお勧めします。

提案時に説明を受けた運用方針や目標との整合性

運用方針や運用目標として掲げられた内容と、実際の投資行動・投資判断が整合しているかどうかの確認です。

商品の提案時に説明を受けた「このような方針に沿って運用を行うことにより、このような運用成果を目指します」といった内容に対して、実際の運用がそれを逸脱して行われていたとしたら、たとえ結果がよかったとしても信頼を置くことはできません。

結果に対しての分析

期待通りの運用結果であった場合、それが狙ったとおりの結果なのか、それとも偶然の結果なのか、また運用結果が振るわなかった場合、どこに原因があったのかについて、納得のいく説明がなされているかの確認です。

運用結果の良し悪しにかかわらず、結果に対して的確な分析が行われ、その後の運用に活かす努力が継続的に行われているかどうかの見極めが重要です。


採用している運用機関や商品によっては、投資哲学や理念、組織体制、人材、運用プロセス、リスク管理体制といった面でのチェックが重要になってくるケースもありますが、まずは上記のような内容から確認してみてはいかがでしょうか。

とは言っても運用報告書の内容や運用機関側の説明を理解し、評価をするというのは、そうした経験のない人にとっては非常に難しく、すぐにできるようなものではないかもしれません。分からないところがあれば率直に質問し、時間をかけて徐々に理解を深めていくことが必要だと思います。また、そうしたことに真摯に対応しているか、こちらの理解度に合わせて分かりやすい説明や提案をしているかどうかということも、定性評価の一項目に加えてよいと思います。


掲載日:2015年9月16日

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