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従業員がもっと安心して働くために、企業が考えるべき3つのこと。退職金・企業年金に関して必要なコミュニケーションとは?(2016春)

先日公開した「退職金・企業年金の現状に迫る(2015冬)」における一連の調査において、不満の声・悲観的な声が多く見受けられた「企業年金・退職金」。

※調査結果に関するレポートは以下をご参照ください。

→ 退職金・企業年金の現状に迫る(2015冬)~従業員は何を望み、どれほど知っているのか~

→ 退職金・企業年金の現状に迫る(2015冬)~退職金・企業年金の今、そして未来は?~

不満・悲観の大きな一因として考えられるのが、この分野における、企業側と従業員の間のコミュニケーション不足です。

そこで今回、退職金・企業年金制度に関するコミュニケーションの実情と、従業員の立場にある人々がどんな情報を知りたいと望んでいるのかについて、アンケートを行いました。

従業員がもっと安心して働ける環境を整えたいと考えておられる企業のご担当者さま、経営層のみなさまには大きなヒントとなるであろうその結果について、以下にレポートします。

調査概要

■調査地域:全国

■調査対象:会社員(正社員・20代~50代)

■調査期間:2016年1月

■有効回答数:1000サンプル

退職金・企業年金制度に関するコミュニケーションの実情は?

画像:調査結果

調査結果から分かる3つの傾向

自分の勤め先の退職金・企業年金制度について、知っているのは2人に1人。それ以外の人が半数いるということになります。

退職金・企業年金制度について、自社において説明がなされていると感じている人より、なされていないと感じている人の方が多いのが現実のようです。

知っておきたい、説明を受けたい点としては「もらえる金額」と「制度内容」。どのように増え、いくらくらいもらえるのかを気にする人が多いようです。

もっと安心して働ける環境のために、企業が考えたい3つのポイント

「知ってもらう」ことの重要性

退職金・企業年金制度を導入している目的は、企業によってさまざまでしょう。「従業員に老後を心配せず、仕事に集中してもらうため」とか、「定年まで(長く)勤める動機付けのひとつ」とか、あるいは「(同業他社等と比べて)労働条件に不満を持たれないため」かもしれません。ひょっとすると「目的?なんだっけ??」という場合もあるかもしれませんが……。

しかし、どんな目的があるにせよ、「(ある程度以上)知っている人が半数」なのであれば、どれだけ良い制度を設けているとしても、その効果も半分程度しか期待できないかもしれません。少なくとも、期待通り、目的に沿って正しく機能し、効果を発揮してくれると考えるのはあまり現実的ではないでしょう。

せっかく制度を設けているのであれば、その制度について「知ってもらう」ことの重要性を、そしてその点で課題がないかどうかの現状確認を、行ってみてはいかがでしょうか。

「知ってもらう」ためにどのようにコミュニケーションを取るか

自分の勤め先の制度についてある程度知っている人が半数であることの一因は、どうやら「会社からの説明が十分なされていない」ということにあるようです。

実際、自分の勤め先の制度について知らないと答えた割合よりも、自分の勤め先からの説明が十分なされていないと答えた割合の方が多い、ということは、企業側のコミュニケーションのあり方にも工夫や改善が必要であることを示しているのではないでしょうか。

適切なコミュニケーションを進めることにより、「会社がちゃんと説明してくれないからよく分からない。将来が不安だ。」といった不安や不満を軽減し、従業員満足度の向上を図ることができるかもしれません。

何を「知ってもらう」ことが必要か

コミュニケーションを図り、「知ってもらう」際に注意したいのが、「従業員が知りたいと思っている情報を的確に提供する」ということではないでしょうか。

せっかく時間や労力をかけてコミュニケーションを進めても、「知りたいのはそういうことじゃないんだけどなあ……。」と思われてしまうのは悲しいことです。

アンケートの結果からも考えられるとおり、「どういったしくみの制度で」「どのくらいの金額もらえるのか」を分かりやすく提示することは重要でしょう。なかでも「定年退職時にいくらくらいもらえるのか」を知りたい人は多いようです。

画像:参考グラフ

それに加え、アンケートで3位になった「会社の意図・方針」をきちんと理解してもらうことができれば、従業員がもっと安心して働ける環境を作るうえで役立つことでしょう。

おわりに

少子高齢化が進み、将来や老後への不安が高まる一方、働き方は多様化しており、雇用の流動化も進んでいます。こうした状況において、企業が従業員の働いている間だけではなく退職する際や老後を見据えてどのような取り組みを行うのか。そのことは企業の従業員に対する姿勢だけでなく、社会と向き合う姿を映す一端となるといえるでしょう。

今後、企業価値の向上に向けた取り組みの一環として、「退職金・企業年金」を経営戦略・人事戦略の中でより有効に活用していくことができないかどうか、改めて考えてみるのはいかがでしょうか。
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