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退職金・企業年金の現状に迫る(2015冬)~従業員は何を望み、どれほど知っているのか~

はじめに

「のれん分け」から始まったともいわれる退職金制度(※)。いつの間にかあって当たり前の「横並びの退職金制度」となり、目的やインセンティブが薄れてきたともいわれています。

 (※)退職金制度の起源については諸説あり。

では実際のところ、受け取る側である従業員は、退職金・企業年金に何を望み、自分が受け取る退職金・企業年金についてどれくらい把握しているのでしょうか。全国の会社員100人にアンケートをとり、調べてみました。

調査概要

  • ■調査地域:全国
  • ■調査対象:【職業】会社員
  • ■調査期間:2015年11月~2015年12月
  • ■有効回答数:100サンプル

退職金・企業年金に望まれていることは…?

 アンケート結果:退職金に望むこと

調査結果から

老後安心して暮らせるための収入源として

半数近くが選んだ一位は『老後安心して暮らせるための収入源となること』。社会福祉や公的年金に対する不安が強まるなか、相対的に退職金や企業年金への期待は高まっているようです。

回答者の声

・老後の生活は不安だらけ。医療費の自己負担増、消費税、介護等出費ばかり。年金も余りあてにならない。(40代/男性)
・年金が受け取れるか将来的に全く不透明といわれている今、そうなると自分の貯金か退職金に頼ることになる。一昔前とは異なる支出が増えてきているなか、貯金を増やすことはなかなか難しいため。(30代/男性)
・国民年金に期待できない以上、退職金と企業年金で生活を安定させるしかないと思うので、しっかりした収入源となってほしい。(50代/男性)

人生設計への影響を気にする声も

二位は『退職時の支給額が定期的に分かり、それによって人生設計を考えられること』、以下、『勤続期間に応じて、充分な額が支給されること』、『会社への貢献度に応じて、充分な額が支給されること』、そして『特に望むことはない』が続く結果に。

回答者の声

・どのくらいもらえて、それが確実にもらえるのかが不安なので、はっきり知りたい。(30代/男性)
・今後、少子高齢化が進む中、自分で自分の生活を守っていくことが大事だと思うので、定期的に支給額がわかったほうがいい(40代/女性)
・勤務した年数を会社に貢献したのだから、それに相当した沢山の金額が欲しい。(30代/男性)
・会社へどれだけ貢献しても、納得のいく額がもらえないと、その会社に対して不信感が湧く。従業員の事を見ていないのかと思うから。(20代/女性)
・貢献度によって額が増えるような仕組みなら、在職中の大きなモチベーションの一つになると考えます。(40代/男性)

企業に求められる、誠実さと信用

さまざまな社会制度への不安が高まる現代、定年退職時の退職金や企業年金に大きく期待をかけている人は多いといえます。また退職金や企業年金を、会社がどれだけ個人に目を配り正しい評価をしているかの現れと見る向きもあります。

総じて誠実さや信用を大きく望む声が強いことを考えると、企業側が従業員に対して定期的に退職金や企業年金についての情報を提示するなど、老後に不安を抱かずに働き続けられる環境作りに取り組んでいくことは大切なのではないでしょうか。

退職金・企業年金について、どれくらい把握していますか?

 アンケート結果:定年退職時の支給額を把握しているか

調査結果から

もっとも多いのは『知らない』人

もっとも多く、3分の1を占めたのは『知らない』という回答でした。そもそも情報が乏しいことや、「安易に聞いて悪い印象を持たれないだろうか」という不安が原因としてあげられています。

回答者の声

・会社の雰囲気として、どれくらいもらえるのかを聞くことはあまり好ましく思われないため(30代/男性)
・私の勤める会社では退職金や企業年金は退職決定後しか通知されないからです。(20代/男性)
・ほとんどもらえないんじゃないかなと思いながら過ごしている。きちんとした金額も知らない。(30代/女性)

きちん把握できているケースも見られるが、まだまだ少なそう

二位以下は『あまり知らない』、『だいたい知っている』、『知っている』という順に並ぶ結果に。

回答者の声

・辞めた人からある程度の金額を聞いた事はあるが、会社から正式に説明を受けた事がない。(30代/男性)
・情報としては全く入ってこない。ただしどこかにあるはずの就業規則を読めば書いているはずだが。(40代/男性)
・自分でどれだけもらえるか、だいたい計算できる。してがっかりした。(30代/女性)
・就業規則に計算方法が出ているので、だいたいの計算が個人でもできるようになっています。また、就業規則も入社時にそれぞれコピーして渡してくれるので、社員全員持っています。(30代/女性)

従業員の不安感を軽減するための適切な情報公開の重要性

アンケート結果によると、退職金や企業年金に対する知識を備えている従業員は少なく、自分が受け取る金額についてある程度の目安が分かっているとしても、ぼんやりとしか推測しかできていないというケースが多く見受けられました。

多くの人にとっては、老後の生活に関する不安を抱きながら働いているものの、定年退職時の退職金や企業年金の情報や知識が乏しいというのが現状のようです。一方で、早期から老後生活の設計をしておきたいと考え、そのために定年退職時の支給額についての情報や計算方式を知っておきたいと希望している人は少なくない様子も伺えます。

一部回答では、企業側ががいつでも退職金などの計算ができるように就業規則に載せており、ある程度金額を把握できているというケースも見受けられました。従業員が早期から老後について計画し、定年まで安心して働けるように、定期的に制度の説明や金額の提示を行うなど、退職金や企業年金についての情報を、社内でもっと浸透させるためにできる点がないかどうか、検討すると良いのではないでしょうか。

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