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解散・脱退後の受け皿となる制度~厚生年金基金制度の抜本的見直しについて -6-

2013年6月に厚生年金基金制度を抜本的に見直す法律が成立し、2014年4月に施行されることとなりました。これに伴い、基金に加入する企業がとるべき対応や検討事項、留意点などを考察します。今回は、主に代行割れでない(上乗せ部分の資産がある)基金に加入しているケースを念頭に、解散または脱退により基金から受け取る資産を移せる先はどこかという観点から取り得る選択肢を整理します。解説を見る→

IICパートナーズ コンサルタント 向井 洋平
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掲載日:2014年7月9日

図解

解説

前々回・前回と、厚生年金基金制度の原則廃止に向けた基金の対応と、それに応じた加入各社の対応について述べてきました。

基金が解散して受け皿制度が用意されない場合、あるいは会社として基金が用意した受け皿制度には加入しないという判断をした場合には、独自に制度を設けるかどうかも含めて、加入各社が主体的に対応を検討する必要があります。

今回は、主に代行割れでない(上乗せ部分の資産がある)基金に加入しているケースを念頭に、解散または脱退により基金から受け取る資産を移せる先はどこかという観点から取り得る選択肢を整理していきたいと思います。

なお、脱退の場合に他の制度に資産を移すことができるのは、脱退一時金の支給を受けられる場合に限られます。加入している基金の給付設計や、各加入員が基金に加入していた期間によっては脱退一時金の支給を受けられないケースもありますので注意が必要です(図表1参照)。

基金からの資産移換

解散時の分配金及び脱退時の脱退一時金について、資産移換が可能な制度をまとめたのが図表2です。

DBと企業型DCについては、会社側で既に独自の制度が設けられている場合、及び受け皿制度として新たに設ける場合のいずれにおいても、資産を移すことが可能です。

中退共についても、既に加入している場合、及び受け皿制度として新規に加入する場合のいずれにおいても解散時の分配金については移換可能ですが、脱退一時金については移換することができません。

上記の3制度は会社として受け皿制度を用意し、会社単位で資産を移すための選択肢として位置付けられます。

一方、会社として受け皿制度を用意しない場合でも、各従業員の選択により分配金や脱退一時金を他の制度に移換して積み立てを継続することが可能です。

基金の他に別途会社でDBやDCを設けていない場合には、基金からの脱退により各従業員は個人型のDCに加入することができるようになり、脱退一時金を移換することが可能になります。(基金解散時には個人型DCに加入することは可能ですが、分配金を個人型DCの資産に移すことはできません。)

また、連合会でも解散時の分配金・脱退一時金の受け入れを行っており、本人の選択により連合会に資産を移しておいて将来年金として受け取ることも可能です。

このように、解散・脱退時の分配金・脱退一時金については他の制度に資産を移して積み立てを継続するためのいくつかの選択肢が用意されており、いずれの方法においても資産移換時には非課税の取り扱いとなっています。

これまで基金に積み立ててきた資産を引き続き「退職金」あるいは「老後の生活資金」という位置づけで活かしていくという観点からは、会社として資産を移すための受け皿を用意し、あるいは従業員に対して分配金・脱退一時金の受け取り方法(選択肢)について説明を行い、従業員の理解を得ていくことが重要でしょう。

次回は最終回として、これまでの内容を振り返り、厚生年金基金制度見直しへの対応を進めるにあたってのポイントをまとめたいと思います。


掲載日:2014年7月9日

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