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退職給付会計業務のリスク~退職給付会計における内部統制 -3-

お客様と共にシステム開発やサービス提供を行ってきた経験から退職給付会計業務における内部統制のエッセンスをお伝えしたいと思います。今回は、退職給付会計業務のリスクについて解説します。解説を見る→

IICパートナーズ コンサルタント 八丁 宏志
著者プロフィール
掲載日:2014年4月24日

解説

退職給付会計のリスク

リスクとは、目的の達成を阻害する危険可能性や要因をいいます。財務報告に係る内部統制では、経営者が自社が採用している退職給付制度に基づき、適正に会計処理を行い適正な開示しているというアサーション(主張)の裏付けが求められます。その為、退職給付会計上のリスクとは、退職給付に関する開示に誤りが生じる可能性を指します。

要は、退職給付会計業務でどんな間違いがおこるのかという事ですね。

簡単なリスクの探し方

退職給付会計業務にはどんなリスクがあるのかと考えると分かりにくいですが、実は簡単にリスクを抽出する方法があります。それは、業務や各要素の後ろに「~を間違えるリスクがある」というタグを付けてみることです。

例えば、前回のコラムで掲載した「会計方針の確認及び決定プロセス」では、退職給付会計業務を始めるにあたり、各種方針を確認し決定するという業務でした。それに先のタグをつけると「各種方針を間違えるリスクがある」と立派なリスクに変わります。

 

リスクの細分化

しかし、大きな業務プロセスにつけたリスクだけでは、具体的な間違いや対応が見えませんので、これを徐々に細分化していきます。この大きな業務プロセスにつけたリスクを第1階層とし第3階層ぐらいまで細分化できれば上々です。第2階層では、詳細な業務プロセス、或いは要素毎にタグをつけます。

第2階層のイメージ業務とリスク

業務 リスク
会計基準 会計基準を間違えるリスク
計算対象制度(規程・規約の変更確認を含む) 計算対象制度を間違えるリスク
未認識債務の償却方法等の会計処理方針 会計処理方針を間違えるリスク
計算基礎率 計算基礎率の決定方針を間違えるリスク

よって、第2階層は「会計基準を間違えるリスク」となります。そして第3階層では、間違いの種類を考えます。「取り違える」「読み違える」などが浮かびます。当てはめてみると「会計基準を取り違えるリスク」、「適用する会計基準を読み違えるリスク」となります。

経営者は適正に会計処理を行い適正な開示していると主張するわけですから、当然そこには、適正の根拠となるルールがあり、「退職給付に関する会計基準」「退職給付に関する会計基準の適用指針(以下、「退職給付会計基準」)」にあたります。

本来、退職給付会計基準に準拠しなければならないところ、IAS(IFRS)に準拠してしまったら適正な開示とは言えません。また、今般、退職給付会計基準が改正となりましたが、改正内容を知らず旧基準に準拠していた場合も同様です。これらは「取り違える」に入るでしょう。


掲載日:2014年4月24日

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