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確定拠出年金(DC)の継続教育 -4- 継続教育の実施手順~投資教育の実施方法と内容~

確定拠出年金の導入時教育については運営管理機関からのサポートもあり、どの企業でもほぼ実施されていますが、継続教育となると具体的にどう進めればよいのか、特に初めて実施するような場合にはなかなかイメージしづらいのではないかと思います。
前回に引き続き、投資教育の実施方法と内容について具体的な選択肢を挙げながら紹介していきます。 なお、コラム内容は企業年金連合会の継続教育実践ハンドブックを参考にしています。解説を見る→

IICパートナーズ コンサルタント 向井 洋平
著者プロフィール
掲載日:2016年1月20日

解説

継続教育の実施形式

継続教育の実施形式には以下のような方法があります。

  • 集合研修(セミナー)
  • Webコンテンツ、Eラーニング
  • 印刷物(社内報や小冊子)やDVD等の配布

このうち、集合研修については、

  • 全員参加とするか、対象者を限定したり希望者のみとするか
  • 業務時間内とするか業務時間外とするか

といった点が検討事項となります。

例えば、DC制度に対する無関心層が多く存在し、これを解消することを第一の目標とした場合、全員参加の集合研修を行ったうえでWebや配布物を組み合わせて基礎的な制度の理解を促すのが理想的と言えます。 しかし、加入者によって勤務の時間や場所が様々であるような場合には、単年度でこれを実施するのは困難かもしれません。そうした場合には、複数年で計画を立て、数年に一度は研修を受けられる機会が得られるようにしておくという方法も考えられます。

また、企業によっては人事部等で世代別の研修を実施しているケースもあると思います。その中にDCの継続教育を組み込むことで、一定の時期に投資教育を受けられる機会を設け、その世代に合ったプログラムを提供することが可能になります。

継続教育のプログラム

厚生労働省から示されている法令解釈通知の内容を整理すると、

  • 規約内容、制度内容の周知
  • 金融商品の理解
  • 投資理論の基礎的理解
  • リタイアメントプランニングの知識

の4つの項目になります。

一般に、DC制度導入時の教育ではこれらの項目を一通り取り上げることが多いですが、継続教育においては1回ごとにテーマを絞り込んで実施することも考えられます。 テーマを絞り込むことで、その時々におけるトピックや解消したい課題に焦点を当てることができますし、回ごとにテーマ設定を見直すことでプログラムの内容に変化がつけられ、加入者に飽きられないという効果も期待できます。

また、継続教育の内容を実際に投資行動につなげるためには、各種ツールの利用についてガイダンスを行うことも重要です。

  • コールセンターやWebへのアクセス方法、パスワードが分からなくなった場合の再発行方法
  • 現在の投資内容や運用資産残高の確認方法
  • 掛金の配分の変更やスイッチングを行う手順
  • 社内の問い合わせ窓口

といった点について具体的な例を交えて説明することで各種ツールやサービスの利用方法が認知され、利用率の向上につながることが期待されます。

加入者からのフィードバック、効果測定

継続教育の内容をより良いものとし、加入者の理解度や満足度を高めていくうえで、投資教育実施後の評価は必須です。評価の結果は文書に残すことで次回以降の取り組みに活用できるようにしておくとともに、担当者の異動があった場合の引継ぎ資料にもなります。

評価の方法は主に、

  • 加入者へのアンケートやヒアリング
  • Webの利用状況や投資行動の変化をデータで確認

の2つであり、これらの結果から評価できる部分と課題である部分を整理し、次回につなげていくことが重要です。

社員のために、そして自分のために

これから継続教育を始めようとする企業の担当者にとって、企画から実施、評価まで行うのはなかなかハードルが高いと感じられるかもしれません。継続教育の取り組みが進んでいる企業でも課題が尽きることはありませんが、試行錯誤しながら回数を重ねるごとに徐々にレベルアップを図っています。

  • まずはやってみる。
  • 結果を振り返って次の機会に活かす。

この繰り返しによって加入者の理解度、満足度を高め、DC制度に対する社員の評価を高めることは社員個人や会社への貢献であり、また、担当者自身にとっても非常に価値のある学習の機会になります。「法令で決められているから」「会社としてやらないといけないから」ということだけではなく、社員のため、会社のため、そして自分のためにも、DCの継続教育に取り組んでいただければと思います。


掲載日:2016年1月20日

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