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確定拠出年金(DC)の継続教育 -1- 法令等で求められている事業主の責務

確定拠出年金は2001年の制度創設以降、導入企業数、加入者数とも順調に増加し、現在では確定給付企業年金制度と並ぶ日本の企業年金制度の柱となっています。
一方で、加入者(従業員)の制度や投資に関する理解は十分に進んでいないのが実情です。
本シリーズでは、加入者の理解度を高め、確定拠出年金制度をより有効に活用していくために必須となる継続的な投資教育について解説していきます。
第一回目の今回は、 法令等で求められている事業主の責務について解説します。 解説を見る→

IICパートナーズ コンサルタント 向井 洋平
著者プロフィール
掲載日:2015年10月7日

解説

努力義務?配慮義務?

投資教育の実施については、確定拠出年金法の中で事業主の努力義務として規定されており、継続的に実施するとともに加入者の運用知識の向上や運用方法の選択に活用できるよう配慮することを求めています。また、今年の4月に国会に提出された法律改正案では、継続教育についても努力義務に含まれる内容に見直されています。

また、確定拠出年金法施行令の中で、どのような投資教育を実施するかについては各年金規約において記載しなければならない事項とされています。ちなみに、当社で実施している確定拠出年金の規約の中では、次のように規定されています。(少し長いですがそのまま抜粋します。下線は筆者。)

上記については、おそらくどの規約も同じような内容になっていると思います。厚生労働省から出されている「法令解釈通知」の中で具体的な投資教育の内容が記載されており、規約もそれに沿った内容で規定されているからです。

詳細については下記サイトをご参照ください。
確定拠出年金法並びにこれに基づく政令及び省令について(法令解釈)(厚生労働省Webサイト) 

実際どこまでやらないといけないものなのか?

では、事業主(会社)がこれらの投資教育を全く行っていなかったとしたら、どのような事態が想定されるでしょうか。

現状、継続的な投資教育を実施していない会社であっても、国から何らかのペナルティを課せられたり、改善指導などがなされるような仕組みはありません。しかし、例えば退職した従業員から

「確定拠出年金の運用資産が想定していた金額を大きく下回ってしまったのは、会社が必要な投資教育を実施していなかったからだ」

と訴えられた場合に、対抗することができるでしょうか。

今のところ、そうした訴訟があったという例は聞きませんが、だからといって今後もないとは言えません。従業員とのトラブルを未然に防ぎ、また仮に訴訟という事態になったとしても会社としての責務はしっかりと果たしたと言えるように、対応しておく必要があります。

ただ、そうは言ってもどこまでやる必要があるのか、他社はどうなのかといったところは気になるところかと思います。次回は確定拠出年金制度導入企業における実態や動向について解説します。


掲載日:2015年10月7日

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