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中小企業退職金共済の改正と企業年金の受託概況―2015年5月のトピック

5月のトピックとして、以下の点について取り上げます。

・中小企業退職金共済法の改正
・企業年金の受託概況                      解説を見る→

IICパートナーズ コンサルタント 向井 洋平
著者プロフィール
掲載日:2015年6月16日

解説

中小企業退職金共済法の改正

5月7日に中小企業退職金共済法の改正法が公布されました。

中小企業退職金共済(中退共)に加入している企業が中小企業の範囲から外れ、加入を継続することができなくなった場合、それまで積み立ててきた資産の取り扱いとして、現在は、

  • 解約手当金として従業員に支給(分配)する。
  • 確定給付企業年金制度(DB)に移す。
  • 特定退職金共済制度に移す。

の3つの選択肢がありますが、今回の法改正により、新たに確定拠出年金(DC)に移す選択肢ができることになります。

2014年12月のトピック-2-で平成27年度与党税制改正大綱についてご紹介しましたが、この中で掲げられた「ポータビリティの拡充」の一部が実現することとなります。改正法の施行日は2016年4月1日とされています。

なお、中退共に加入できる「中小企業」の範囲は以下のように定められています。

また、今回の法改正では、上記のほかに、中退共を運営する勤労者退職金共済機構に資産運用委員会を設置し、運用の基本方針の作成・変更に係る審議や、運用状況の監視にあたることと等が盛り込まれています。

中退共のWebサイトにも法改正についてのお知らせが掲載されていますので、ご覧ください。
中小企業退職金共済法の一部改正のお知らせ(中小企業退職金共済事業本部Webサイト) 

企業年金の受託概況

信託協会等より「企業年金(確定給付型)の受託概況」及び「確定拠出年金(企業型)の統計概況」が公表されました。これは企業年金の受託件数等について年度末の各社の実績を集計したものであり、例年、5月下旬に公表されています。

2015年3月末現在、確定給付企業年金制度(DB)と企業型の確定拠出年金制度(DC)の受託件数等の実績は、以下のとおりとなっています。

各項目ともDBがDCを上回っている状況ですが、適格年金制度が廃止された2012年3月以降の推移をみると、DBは件数・加入者数とも減少している一方で、DCについては適格年金からの移行が終了した後も件数・加入者数が増加しています。

資産残高についてはここ数年運用が好調なことからDBについても増加しており、またこれまでの蓄積もあるため、DCとはまだかなりの差がありますが、加入者数についてはこのままの傾向が続けば5~10年後には逆転する可能性もありそうです。

掲載日:2015年6月16日

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