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中小企業退職金共済の付加退職金と日本経団連の実態調査結果等―2015年4月のトピック

4月のトピックとして、以下の点について取り上げます。

・確定拠出年金法等の一部を改正する法律案
・中小企業退職金共済の付加退職金
・日本経団連 退職金・年金に関する実態調査         解説を見る→

IICパートナーズ コンサルタント 向井 洋平
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掲載日:2015年5月19日

解説

確定拠出年金法等の一部を改正する法律案

4月3日に確定拠出年金法等の一部を改正する法律案が閣議決定され、国会に提出されました。詳細については別コラムにて解説していますので、そちらをご覧ください。

中小企業退職金共済の付加退職金

厚生労働省は中小企業退職金共済(中退共)の2015年度の付加退職金支給率を2.16%と決定しました。

中退共から支給される退職金は基本退職金と付加退職金により構成され、付加退職金は中退共の財政状況や前年度の運用収益などを勘案して決定されることとなっています。今回の決定により、2015年度時点の基本退職金の残高に2.16%分が付加退職金として加算されることとなります。

中退共の財政は長らく積立不足の状態が続いていましたが、2012年度に積立不足が解消され、2013年度末には2145億円の剰余金(必要積立額に対して約5%)が確保されたことから、2014年度は8年ぶりに付加退職金が支給されることとなりました(付加退職金支給率は1.82%)。

2014年度も予定利率(1%)を上回る運用利回りにより1646億円の利益が見込まれることから、このうち1/2(823億円)を付加退職金に充てることとし、2015年度における退職金総額3兆8047億円(※)に対する比率として2015年度の付加退職金支給率が決定されています。
※すべての被共済者が2015年度中に退職したとした場合の退職金合計額

なお、2014年度の利益のうち残り1/2については、将来金融情勢が急変した場合でも直ちに積立不足となることのないよう、剰余金として留保する扱いとなっています。

日本経団連 退職金・年金に関する実態調査

日本経団連から「2014年9月度 退職金・年金に関する実態調査結果」が公表されました。

本調査は経団連企業会員等を対象として2年ごとに実施されており、退職金の水準や算定方法などについて調査結果がまとめられています。回答企業257社のうち、従業員500人以上規模が81.7%を占めており、大企業中心の調査となっているのが特徴です。
以下、その結果の概要です。

(1)標準者の退職金額

60歳時の退職金額の平均は、

  • 管理・事務・技術労働者(総合職)大学卒:2357.7万円
  • 管理・事務・技術労働者(総合職)高校卒:2154.9万円
  • 生産・現業労働者 高校卒:1831.0万円
となっています。

回答企業が同一ではないため単純比較はできませんが、前回調査(2012年9月度)と比較すると、総合職大学卒の金額が2491.7万円から大きく減少する結果となっています。

(2)退職金の算定方法

ポイント方式が最多の65.6%となっており、以下のとおり回を追ってその割合は徐々に増加しています。

  • 2008年調査:57.0%
  • 2010年調査:59.2%
  • 2012年調査:65.0%
  • 2014年調査(今回):65.6%

また、ポイントの配分割合については、総合職・大学卒の60歳(勤続38年)時で、

  • 資格・職務要素:64.4%(74.9%)
  • 考課要素:11.3%(5.2%)
  • 年功要素:18.9%(19.3%)
  • その他:5.4%(0.6%)

となっており、資格・職務要素が多くの割合を占める結果となっています。

なお、カッコ内は前回調査の結果であり、これと比較すると、資格・職務要素が減少、考課要素が増加する結果となっています。

(3)退職金制度の形態

退職一時金制度と企業年金制度の併用が66.3%と最も高い割合となっていますが、前々回の74.5%、前回の71.2%と比較すると低下傾向にあります(企業年金制度のみ、または退職一時金制度のみとする割合が増加)。

また、企業年金制度を採用している企業についてその種類をみると、確定給付企業年金制度(DB)が83.9%と最も多く、次いで確定拠出年金制度(DC)の54.0%となっています。

前回調査と比べると、DB・DCとも若干増加する結果となっています。

(4)確定拠出年金のマッチング拠出導入状況

確定拠出年金制度を採用している企業において、マッチング拠出(従業員による掛金の追加拠出)の導入状況は以下のとおりとなっています。

  • 導入済み:30.2%
  • 導入する方向で検討中:14.1%
  • 導入の考えはない:47.7%
  • その他:8.1%

検討中の企業を含めると、2012年のマッチング拠出解禁から2年余りで半数近くの企業に広がってきています。

掲載日:2015年5月19日

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