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厚生年金基金に関する事務連絡等―2014年12月のトピック -1-

 2014年12月のトピックとして、
  1. 厚生年金基金解散後の資産を他制度に移す場合の取り扱い
  2. 第13回・第14回企業年金部会の開催(企業年金のガバナンスについて、等)   
  3. 平成27年度与党税制改正大綱(DCを中心とした企業年金税制の見直し)

について解説します。このコラムでは、1.について取り上げます。解説を見る→

IICパートナーズ コンサルタント 向井 洋平
著者プロフィール
掲載日:2015年1月14日

解説

厚生年金基金解散後の資産を他制度に移す場合の取り扱い

12月11日、厚生年金基金解散後の資産(※)を他制度に移す場合の取り扱いを定めた事務連絡等が厚生労働省より発出されました。

(※) 最低責任準備金(代行部分に対応する資産)を国に返還した後に残った資産

以下、基金加入会社が自社の従業員にかかる資産をDB(確定給付企業年金)またはDC(確定拠出年金)へ移す場合を念頭に、必要手続きの概要を紹介します。

(1)規約の整備(制度設計)

  • DBへ資産を移す場合、その資産額に見合った給付額への反映方法を決める必要があります。例えば、ポイント累計や仮想個人勘定残高に分配金相当額を加算したり(ポイント制またはキャッシュバランスプランの場合)、本則の給付とは別に分配金相当額を給付額に加算する取り扱い(併せ給付)が考えられます。
  • DCへ資産を移す場合は基金から受け取ることとなる各自の分配金相当額が個人別管理資産に充当されることとなります。
  • DB、DCの場合ともに、基金解散後の将来期間に係る給付の設計についても検討しておく必要があります。
    ※基金側が用意した受け皿制度等に資産を移す場合は会社側で制度設計を行う手間省けますが、自社のニーズにあった制度内容であるか等について確認したうえで実施する必要があります。

(2)基金への申出

  • 資産の移し先を決定し、厚生年金基金規約に定められた残余財産の交付(移換)申出期日までに基金に申し出ます。申出期日は一般的には解散認可より1年程度後になるものと思われます。

(3)同意の取得

  • DBへ資産を移す場合は事業主の同意と、各事業所に所属する基金加入員の1/2以上の同意が必要となります。
  • 仮に受給権者についてもDBへ移す場合は個別に同意を取り、同意した者のみについて資産を移すこととなります。
  • DCへ資産を移す場合は、当該事業所に所属し、資産移換の対象となる基金加入員の1/2以上の同意が必要となります(事業主の同意は不要)。
  • 上記の各同意書は基金へ提出することとなります。

(4)規約の申請・承認(認可)

  • 資産の移し先となるDB及びDCの規約承認(認可)期限は②の申出期日までとされました。地方厚生局への規約の申請から承認までの標準処理期間は2ヶ月となっていますので、これを考慮して準備を進めておく必要があります。

今回の事務連絡等により解散基金の資産を他制度に移す場合の取り扱いが整理されましたが、上記のほかに解散そのものに係る手続きもあり、全ての手続きを完了するにはかなりの手間と時間がかかりそうです。

移行期間中に退職した従業員に対する取り扱いなど対応が複雑になりそうな点については、基金や幹事会社にも確認しながら従業員に対してきちんと説明できるように準備を進めておくことが重要です。


 

トピックスの2,3については次回解説することとします。

掲載日:2015年1月14日

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